イザベル・ダエロン Isabelle Daëron

波をたてる

2016.5.19(木)~2016.7.12(火)

イベントアート&カルチャー

フランスのアーティスト、イザベル・ダエロン(Isabelle Daëron)による、雨や海、道端を流れる水、ものづくりに使われる水など、水の様々な側面と用途に注目した作品です。


都市で生活していると、日常的に自然の恩恵を受けているという事実をつい忘れがちです。私たちの生命は貴重かつ限られた資源によって支えられています。
今回の「波をたてる」は、エルメスの2016年のテーマ、「自然‐軽やかなギャロップ」に呼応して、水の「動き」がテーマとなっています。この動きのダイナミズムを表すために水滴というフォルムを使って、風景全体が構成されています。

正面のウィンドウは、自然の中にあるさまざまな水の源やあり方を表現しています。舗道に降り注ぐ雨に始まり、海に流れ込んで大波になる水、氷柱のように地面に落ちていく水、そのなかでエルメスの製品はその動きと関わり合い、ストーリーをつないでいます。
detail-330小窓では、ものと水の関わりについて考察しています。そこでは、桑の葉をむ蚕とシルク、銀の産地を連想させるような岩肌など、素材と水の関係を表すストーリーが展開されているだけでなく、ジュエリーをつくったり、皮革を染めたり、シルクを洗ったりするとき、水はどのように使われているのか、そういったものづくりで消費されるウォーター・フットプリント*という考え方を表現しています。

「Making Waves 波をたてる」とは、放っておけばそのままあり続ける状況に向き合って、問題提起をする意味でもあります。自然のなかに脈々と存在する水と、それを利用する人間社会の二つの側面に注目し、「波をたてる」ことで、水と私たちの住む社会の現実について考えるきっかけへと導いています。

*ウォーター・フットプリントとは、商品やサービスの生産に使われる水の総量を意味します。

アーティストプロフィール


イザベル・ダエロン(Isabelle Daëron)
イザベル・ダエロンはパリを拠点として活動するデザイナーで、生活環境とそれを形づくる自然の要素についての思索をもとに、オブジェ、インスタレーション、空間をデザインする。たとえばダエロンが手掛けたプロジェクト「Topiques or the utopian desire to inhabit flows(トピック、または流れていくものをとどめたいというユートピア的な願望)」では、集められたさまざまなものが自然の流れと公共の場における持続可能エネルギーの利用に疑問を投げかけている。この作品で、リール・デザイン賞(2012)、パリ市デザイン大賞(2013)、アウディ・タレント・アワード(2015)など、数々の賞を受賞。ダエロンのプロジェクトは、現代美術センターCCA北九州、パリ市立近代美術館、マタデッロ(マドリード)、コンプレックス・スヴィラフティ(ヘルシンキ)で展示された実績がある。