フォーラムにて開催中の「ミクロ・イヴェント:谷内恒子展」では、毎日パフォーマンスが行われています!日替わりで谷内が演じる6人のキャラクターのうち、今回は「ガングロ」のレポートをお届けします!

17:00になると、黒いワンピースに身を包んだ谷内がどこからともなく現れ、ステージに上がります。ヒールの音を響かせ黒く豊かな髪を揺らす谷内、まだ「ガングロ」の面影はどこにも見当たりません。期待が高まります…

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観客の目の前で服を選び、着替え始める谷内。ベッドを思わせる造作物や鏡、ハンガーラックが配されたステージは、まるで彼女の部屋のよう。他人の生活を覗いているような錯覚に襲われます。

着替えを終えて、メイクに取り掛かるアーティスト。かなり黒くなっています…。インクのようなアイライナーにつけまつげ、白っぽい口紅、メッシュ入りのウィッグ、ビビッドカラーの服に厚底靴を履けば、一世を風靡したあのガングロ・ルックが完成!

ganguro09満足そうに周囲を見渡すガングロ。ものすごいインパクトです。

ganguro15_2しばらくすると、モデルウォークのように堂々とステージの端から端までを往復し始めました。うっすらと微笑みを浮かべるガングロと目があうと、思わず目をそらしてしまいます。

高らかな笑い声、そして長い沈黙…。
だんだん目の前のガングロが得体の知れないものに見えてきました。
ギャル文化の中でも際立った風貌とその強烈な自己表現で社会の常識的な制約に反抗したガングロをとりあげることによって、日本の社会を抑圧してきたものが浮かび上がるようです。ルールを笑い飛ばしてしまう彼女たちのスタイルが鮮やかに表象されつつ、長い沈黙や何かを思索するような表情によって、そこに大きなズレを同時に感じます。

ganguro11パフォーマンス中、ステージ上の大きなテーブルの上でガングロは制作も行いました。写真にペイントをしたり、鏡に口紅で自画像を描いたり、画用紙に雑誌の切り抜きでコラージュを作ったり。「ガングロ」とアーティスト「谷内恒子」が交錯する瞬間です。
これらの「作品」は、毎週日曜日の「トロック(交換)」というパフォーマンスでの交換品として、テーブルに並べられるそうです!

ganguro13気がつくと、ガングロは荷物をまとめ、着替えを始めました。だんだんと元の「谷内恒子」に戻っていく過程も見どころです。

部屋を覗いているような感覚と、彼女の笑い声やまなざし、繰り返される動作がもたらす緊張感と違和感、「自分がその場に取り込まれている」と感じる瞬間が、パフォーマンスの間、常にオーバーラップし続けています。

ステージに現れたときのように、ヒールの音を響かせながら、まるで何事もなかったかのように立ち去っていく谷内。さっきまでの出来事は一体何だったんだろう…と戸惑う私たちの目の前には、口紅でペイントされた鏡やメイクの残り物など、確かな現実のあとが残されていました。

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谷内恒子が演じるキャラクターは全6人。毎日変わります。様々な女性のキャラクターたちは、私たちの固定観念や期待、予想を裏切りながら、ユーモラスなパフォーマンスを繰り広げます。
ラジオ体操がワルツになってゆく体操選手、観客に飲み物をサービスするウェイトレス…。彼女たちは観客との曖昧な距離を保ち、不安や居心地の悪さ、戸惑いを誘発しながらも別の表現で演じ続けます。
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ひたすらサンドバッグを叩き続けるボクサー/段ボール書いた文字を掲げるホームレス/制作したコラージュを観客に見せる体操選手

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約2時間のパフォーマンスですが、どのタイミングでご覧いただいても何かを発見し、お楽しみいただける内容です!毎日パフォーマンスに出会えるフォーラムでの新しい体験。アーティストと共にご来場をお待ちしております!

イベント詳細につきましてはこちら

銀座メゾンエルメスのウィンドウが新しくなりました。

今回は、独特な色彩と物語が織りなす情景を描く日本人アーティスト、小沢さかえによる
「ビリジアンの行軍」というディスプレイです。

お近くにお立ち寄りの際は是非、ご覧くださいませ。

8月のル・ステュディオでは、ヴォルフガング・ベッカー監督の『グッバイ、レーニン!』をご紹介します。

【『グッバイ、レーニン!』あらすじ】

ベルリンの壁崩壊直前の東ドイツ。テレビ修理店に勤めるアレックスの母クリスティアーネは、社会主義に傾倒し東ドイツに強い愛国心を抱いている。ある夜、反社会主義デモに参加し警察と衝突している息子を目撃、ショックで心臓発作を起こし昏睡状態に陥ってしまう。それから8ヵ月後、彼女は奇跡的に目を覚ますが、既にベルリンの壁は崩壊しドイツは統一されていた。医師から「今度強いショックを与えたら命取りになる」と宣告されたアレックス。愛する母親を守るため、東ドイツの崩壊を隠し通そうと決意し奮闘するのだが……。
ベルリンの壁崩壊、東西ドイツの統一。歴史の大波に翻弄される個々の人間にスポットライトを当てることで、激動の時代を普通の人々の生活から描き出した秀作。本国ドイツでは歴代興行記録を更新、多くの映画賞を受賞し空前のヒットとなった。

予約開始:7月12日(土)11:00~ 
ご予約は、鑑賞ご希望の上映日の3週間前11:00より、順次受付開始となります。

予約方法:会員登録後、以下のページよりご予約ください。
http://reservation.maisonhermes.jp

ご好評いただいております「コンダンサシオン:アーティスト・イン・レジデンス展」も、6月30日(月)までとなりました!

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©Nacása & Partners Inc. / Courtesy of Fondation d’entreprise Hermès

展覧会にご来場の皆様より、たくさんのコメントをいただいております。
その一部を紹介いたします。
◆思わぬ空間に感激。建物の特徴も活かされた展示でした。はじめて9階に入りました!
◆アルチザンとクリエイティヴィティの結晶――職人への尊敬の思いと、若いアーティストの改新の融合を感じました。
◆ドキュメンタリー映像がまるで映画のようで刺激的! 物語を知り作品の奥深さを感じました。
◆素材の制約と職人から受けるインスピレーションがマッチした良い企画。
◆とてもとても素敵でした。女子の夢です!
◆企業が若いアーティストの支援に取り組んでいる……このような取り組みが増えるといいなと思います!

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©Nacása & Partners Inc. / Courtesy of Fondation d’entreprise Hermès

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©Nacása & Partners Inc. / Courtesy of Fondation d’entreprise Hermès

まだご覧になっていない方はもちろん、一度ご覧いただいた方も、ぜひお立ち寄りください!

7月のル・ステュディオでは、ウディ・アレン監督の『カメレオンマン』をご紹介します。

【『カメレオンマン』あらすじ】

人に嫌われたくない、自分を受け入れてもらいたいという深層心理から、カメレオンのように周囲の人々と姿かたちまで同化してしまう「人間カメレオン」、ゼリグ。1920年代のニューヨークに突如として登場し、世間を騒がせたその奇想天外な男の生涯を、記録映像や証言によって綴った、擬似ドキュメンタリー風コメディ。
医師に囲まれると医学の話を始め、ギリシャ料理屋ではギリシャ人に変身し、太った男性の側にいると腹が出てくる。映像の合成技術、ユーモアたっぷりの脚本も素晴らしいが、その笑いの奥には誰もが抱える孤立への恐怖やファシズムの脅威、そして人間の愛が描かれている。回想シーンを彩る識者、スーザン・ソンタグやアーヴィング・ハウらの出演も見どころ。

予約開始:6月14日(土)
予約方法:6月14日以降、以下のページより、会員登録後ご予約ください。
http://reservation.maisonhermes.jp

3月20日から開催しております「コンダンサシオン:アーティスト・イン・レジデンス展」ですが、早いもので残り1ヶ月となりました。

エルメスの素材、職人の技術と、若いアーティストたちの出会い。
エルメス財団のレジデンス・プログラムに参加した全16作家の作品をご紹介しています。

通常は8階のみのフォーラムですが、今回は9階にもスペースを拡大し見応えのある展示となっています。

ぜひお見逃しなく!

6月のル・ステュディオでは、セリーヌ・シアマ監督『トムボーイ』をご紹介します。

【『トムボーイ』あらすじ】

フランスの小さな田舎町に引っ越してきたばかりの、10歳の少女ロール。少年のような格好で自らを「ミカエル」と名乗り、近所の子供たちに自分を「男の子」だと信じ込ませる。やがて仲間の一人リザは、「ミカエル」に異性としての好意を抱き始めるが……。
子供たちの残酷さ、大人たちの戸惑いによって浮かび上がるジェンダーの問題や、少年少女たちに芽生えたばかりのセクシュアリティの戸惑い、脆さと瑞々しさが、緑と水辺の美しい真夏の風景の中で描かれてゆく。
自然で伸びやかな子供たちの演技も素晴らしい。思春期の多感で繊細な少女の心を、極めて丁寧な描写で綴った本作は、2011年のベルリン国際映画祭でテディ賞審査員特別賞を受賞するなど高い評価を受けている。

予約開始:5月11日(日)
予約方法:5月11日以降、以下のページより、会員登録後ご予約ください。
http://reservation.maisonhermes.jp

銀座メゾンエルメスのウィンドウが新しくなりました。

今回は、パリを拠点とする建築事務所 DGT による「カンブリアの饗宴」という
ディスプレイです。

お近くにお立ち寄りの際は是非、ご覧くださいませ。

日頃はル・ステュディオにご来場いただきまして、誠にありがとうございます。
現在上映中の『ジキル博士とハイド氏』は、もうご覧いただけましたでしょうか?

【『ジキル博士とハイド氏』 あらすじ】
科学実験によって、人間の魂を「善」と「悪」に分ける新薬を開発したジキル博士。薬を飲み、 邪悪な怪物「ハイド」に変身しては、夜霧に浮かぶロンドンの街を本能のままに彷徨いだす。 豪邸に住み、大学での講義も大盛況、美しいフィアンセとの将来も約束された人生だったが、 次第に「ハイド」という邪悪な人格が、ジキル博士の高潔な精神を蝕んでゆく……。
ロバート・ルイス・スティーブンソンの同名の小説を映画化した本作。 トーキー初期とは思えないカメラワークやリズムのよさ、特殊メイクと圧巻の変身シーンとともに、 人の心に潜む闇の深淵、精神の葛藤の悲劇を描き出している。 ジキル博士とハイド氏、一人二役を演じ切ったフレドリック・マーチは、本作で第5回アカデミー賞主演男優賞を受賞した。

ご鑑賞いただいたお客様より、多くのコメントを頂戴しました。ありがとうございます!
一部、ご紹介させていただきます。

◆話の内容は知っていましたが、映像で見ると迫力が違いますね。とてもドキドキしました。

◆古い映像でありながら素晴らしい技術に感動致しました。名作!!

◆人間の本質が描かれている素晴らしい作品でした。

◆まさしく変身にぴったりで、今さらながらひとり2役に驚きました。あらためて印象に残りました。

お席も残りわずかとなっております。
鑑賞をご希望の方は、どうぞお早めにご予約ください。

『ジキル博士とハイド氏』の今後の上映スケジュール
4月
19日(土)20日(日)26日(土)27日(日)29日(火祝)
11:00/14:00/17:00(予約制)
http://reservation.maisonhermes.jp

5月のル・ステュディオでは、世界的な舞踏家、ピナ・バウシュの生前最後の映像を収めた『ピナ・バウシュ 夢の教室』をご紹介します。

【『ピナ・バウシュ 夢の教室』あらすじ】

世界的な舞踏家、ピナ・バウシュのもとに、ダンスも演劇も経験のない40人のティーンエイジャーが集まった。「男女の愛」をテーマにしたピナの代表的演目「コンタクトホーフ」を演じるため、10ヶ月間の無謀とも言える猛特訓が始まる……。
志望の動機も様々な少年・少女たち。「できない」「意味がわからない」と、最初はダンスに二の足を踏んでいた彼らも、ピナやコーチたちの指導を受けながら稽古に励み、他者の肌に触れ合い、感情をさらけ出す濃密な時間の中で、動作にキレが生まれ、表情が輝き出し、また彼ら自身も自らの変化に気づき始めてゆく。
本作は、2009年に急逝したピナ・バウシュの、生前最後の映像を収めた貴重なドキュメンタリーである。若者たちが「変身」を遂げる瞬間の力強さは、命の希望に満ちている。

予約開始:4月12日(土)
予約方法:4月12日以降、以下のページより、会員登録後ご予約ください。
http://reservation.maisonhermes.jp

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