夢を追いかけて:夢は運命

『ウェイキング・ライフ』

2019.3.2(土)~ 3.31(日)

ル・ステュディオは銀座メゾンエルメス10階にある40席のプライベートシネマです。
2019年のテーマは「夢を追いかけて」。
3月は夢と現実が混在した摩訶不思議な世界をさまよう青年の『ウェイキング・ライフ』をお届けします。


『ウェイキング・ライフ』Waking Life

2001年/アメリカ/101分/カラー/ブルーレイ
監督・脚本・撮影:リチャード・リンクレイター
製作:トミー・パロッタ、アン・ウォーカー=マクベイ
   パルマー・ウェスト、ジョナ・スミス
音楽:グローヴァー・ギル、トスカ・タンゴ・オーケストラ
美術:ボブ・サビストン
出演:ワイリー・ウィギンズ、イーサン・ホーク、ジュリー・デルピー

全編をとおし、浮遊感のあるアニメーションで描かれる実験作。主人公の青年は夢とも現実ともつかない摩訶不思議な世界をさまよい、何度も同じ部屋で目を覚ます。アート、哲学、進化論などのテーマが次々と現れる登場人物たちによって語られ、洪水のように溢れ出てくる。本作はビデオカメラで撮影された実写映像にデジタルペインティングを施すという手法で制作され、リアルと虚構が混在した奇妙な世界観を作り出している。


『ウェイキング・ライフ』
アレキサンドル・ティケニス(ル・ステュディオ プログラム・ディレクター)

実験的な作風で知られるアメリカ映画界の異端児、リチャード・リンクレイター。彼の作品に登場する人物たちは、ほとんどいつも、行動するよりも、哲学的なおしゃべりに没頭する。『ウェイキング・ライフ』でも、人間の存在意義や、人間と世界との関係といった哲学的な問いが、独特の映像美とともに、哲学のシロウトでも分かるように探求される。
冒頭、男の子と女の子が折り紙で占い遊びをしている。女の子が紙をひらくと「夢は運命」という言葉があらわれる。映画はすぐに夢と現実のはざまを漂いはじめる。リンクレイター自身に似た主人公の青年が、白昼夢のように空を飛び、世界を俯瞰する。色鮮やかにペイントされた現実世界をさまよいながら、さまざまな人間に出会っていく。彼らはみな、たとえば、自由意志や決定論について語り、アリストテレスやキルケゴール、フィリップ・K・ディックの言葉を引用する。
世界はデフォルメされ、たえず揺らめき、独特の浮遊感を感じさせる。登場人物たちも同じようにカラフルな筆づかいで、単純化されたり、細部までリアルに描きこまれたり、ごつごつと角張った姿や、まんまるにふくらんだ姿で描かれる。哲学的な対話を交わしながら、彼らは我を忘れて興奮し、心を静め、真理を悟り、疑問で頭をふくらませ、その心の動きに応じて姿を変化させる。
難解な哲学談義とポップなアニメーション。『ウェイキング・ライフ』の魅力は、この組み合わせの妙にある。アニメという表現スタイルは、これまでずっと、子供向けのエンターテインメントにすぎないと思われてきたが、今では、シリアスな問題をリアルに描くためにも用いられている。リンクレイターがアニメを選んだのも、単に美的な理由からだけではない。アニメによって現実を様式化することで主人公の揺れうごく心を表現し、主人公が抱える「問い」を示そうとしたのである。「ぼくらは夢遊病者なんだろうか。それとも、自分の夢のなかで生きているのだろうか」。
ビデオカメラで撮影した実写映像をアニメ化することで、『ウェイキング・ライフ』は作品のリアリティを確保しながら、夢と現実の境界をぼかし、ぼくたちの目には映らないものを見せてくれるのだ。

上映スケジュール


上映日: 3月2日(土)、3月3日(日)、3月9日(土)、3月10日(日)、3月16日(土)、3月17日(日)、3月21日(木・祝)、3月23日(土)、3月24日(日)、3月30日(土)、3月31日(日)

上映時間


11:00/14:00/17:00

会場


銀座メゾンエルメス ル・ステュディオ(東京都中央区銀座5‐4‐1 10階 TEL: 03-3569-3300)

予約


予約開始:2月9日(土)11:00
予約方法:2月9日以降、「予約」ボタンよりご予約ください。

※ご予約は、鑑賞ご希望の上映日の3週間前の11:00からとなります。
(予約開始時間の11:00付近は、アクセスが集中し繋がりにくい場合がございます。ご迷惑をおかけし申しわけございません。)
※満席の場合にはご予約頂けませんが、当日キャンセルのあった場合は、会場にて先着順でご鑑賞いただけます。(上映時間5分前に会場に直接お越しください。)
※上映会は、中学生以上の方にご参加いただけます。