演じる。遊ぶ。プレイフルな人生!:誘惑のレッスン

『恋愛小説ができるまで』

2018.11.3(土)~ 11.25(日)

アート&カルチャー

ル・ステュディオは銀座メゾンエルメス10階にある40席のプライベートシネマです。
2018年のテーマは「演じる。遊ぶ。プレイフルな人生!」。
11月は小説執筆のために恋を仕組んだ男の『恋愛小説ができるまで』をお届けします。


『恋愛小説ができるまで』 La Discrète
1990年/フランス/94分/カラー/ブルーレイ

監督:クリスチャン・ヴァンサン
製作:アラン・ロッカ
脚本:クリスチャン・ヴァンサン、ジャン=ピエール・ロンサン
撮影:ロマン・ヴァンダン
音楽:ジェイ・ゴットリーブ
出演:ファブリス・ルキーニ、ジュディット・アンリ、モーリス・ガレル、セルジュ・リアブキン

『大統領の料理人』『アムール、愛の法廷』など、近年日本でも知名度が高まっているクリスチャン・ヴァンサンの長編監督デビュー作。
作家のアントワーヌは、恋人に振られたばかり。次作は新しい恋人との出会いから破局までの記録にすることに決め、ターゲットを探すためにタイピストの募集広告を出す。やがて応募してきたのは若いカトリーヌ。彼女を採用し、いたずらに翻弄するアントワーヌだったが……。果たしてアントワーヌは恋愛小説を完成させることができるのか?主人公とヒロインのくりひろげる駆け引きの行く末をご覧あれ。


『恋愛小説ができるまで』
アレキサンドル・ティケニス(ル・ステュディオ プログラム・ディレクター)

クリスチャン・ヴァンサンの監督第1作『恋愛小説ができるまで』は、フランスで公開されるやいなや、観客と批評家をおおいに魅了した。重さと軽さの混在するスタイルが、エリック・ロメールの「六つの教訓物語」を思わせると評価された。ロメール映画の常連ファブリス・ルキーニが出演していること以外にも、本作には、ロメールとの共通点がいくつも見られる。たとえば、ひとにぎりの登場人物が、おたがいの感情と行動をめぐって絶えず言葉を交わす。演出は節約を旨とし、文学的な対話を好む。脚本は綿密に練られているが、役者はその台詞をごく自然な感じで口にする。本作のシナリオもロメール的な雰囲気を感じさせるが、共同脚本家でもあるヴァンサンが、そこにメランコリックな空気をつけくわえている。
クリスチャン・ヴァンサンは、3人の登場人物をきっちりと描きわける。孤独な書店主ジャンは、モラルに反することもいとわず、ある復讐の計画をたてる。おしゃべりで女たらしのアントワーヌをそそのかし、偶然出会った女性を誘惑するよう仕向けるのだ。アントワーヌが出会った清楚な女子学生カトリーヌは、『危険な関係』の登場人物のように、恋愛ゲームの犠牲者となる。
ところが、恋の駆け引きは、計画どおりには進まない。プレイボーイは、自分の仕掛けた罠にとらわれる。しかし実際のところ、アントワーヌは恋に落ちたのだろうか。カトリーヌを本気で好きになったのだろうか。確かなことは何も分からない。ただ作品の最後に、おそらく監督自身の声で、こう語られるだけである。「ひとを見るとき、私たちはその半分しか見ていない」。私たちは嘘を見抜けず、つねに見かけにだまされる。クリスチャン・ヴァンサンはそう言いたいのかもしれない。
ファブリス・ルキーニに当て書きされたアントワーヌという役柄は、ルキーニの役者人生に少なからず影響をあたえた。舞台でも活躍する俳優らしく舌の回りがよく、知的で親しみやすい役者というイメージを決定づけた。この後の出演作品でも、ルキーニは饒舌なパリジャンの役を見事に演じていく。しかし本作では、ある場面で、そのルキーニが言葉をうしない沈黙する瞬間がおとずれるのだ。

上映スケジュール


上映日:11月3日(土・祝)、11月4日(日)、11月10日(土)、11月11日(日)、11月17日(土)、11月18日(日)、11月23日(金・祝)、11月24日(土)、11月25日(日)

上映時間


11:00/14:00/17:00

会場


銀座メゾンエルメス ル・ステュディオ(東京都中央区銀座5‐4‐1 10階 TEL: 03-3569-3300)

予約


予約開始:10月13日(土)11:00
予約方法:10月13日以降、「予約」ボタンよりご予約ください。
※ご予約は、鑑賞ご希望の上映日の3週間前の11:00から可能です。
(予約開始時間の11:00付近は、アクセスが集中し繋がりにくい場合がございます。ご迷惑をおかけし申しわけございません。)
※満席の場合にはご予約頂けませんが、当日キャンセルのあった場合は、会場にて先着順でご鑑賞いただけます。(上映時間5分前に会場に直接お越しください。)
※上映会は、中学生以上の方にご参加いただけます。