演じる。遊ぶ。プレイフルな人生!

『短編セレクション ― 気ままなオブジェたち』

2018.5.3(木・祝)~5.27(日)

アート&カルチャー

ル・ステュディオは銀座メゾンエルメス10階にある40席のプライベートシネマです。
2018年のテーマは「演じる。遊ぶ。プレイフルな人生!」。
5月は、遊び心にあふれた5本の短編セレクション「気ままなオブジェたち」をお届けします。


*5作品連続上映(約53分、ブルーレイ)

1.『午前の幽霊』 Ghosts Before Breakfast
1928年/ドイツ/6分/モノクロ
監督:ハンス・リヒター

2.『事の次第』 The Way Things Go
1987年/スイス/30分/カラー
監督:ペーター・フィッシュリ&ダヴィッド・ヴァイス

3.『ザ・ファースト・ラスト・ソング』 The First Last Song
4.『グッド・ラック・ミスターチャンス』 Good Luck Mr. Chance
2002年/フランス/4分10秒/カラー
2004年/フランス/3分46秒/カラー
監督:ル・ジャンティ・ギャルソン

5.『燃えよプチ・ドラゴン』 Le Petit Dragon
2009年/フランス=スイス/9分/カラー
監督:ブリュノ・コレ

5月のル・ステュディオでは、遊び心に満ちた5本の短編作品をご紹介。主役は、気ままで自由なオブジェたち。
宙を舞う帽子、テーブルの上で踊るソーサー…… ハンス・リヒターが奏でる、時計が正午を指すまでのユーモラスなひととき。ガラクタたちが、ハードな連鎖反応を起こしながらエネルギーを伝えてゆく、フィッシュリ&ヴァイスによる驚くべき物理実験。ル・ジャンティ・ギャルソンによる、一度きりの前衛的なピアノ演奏会と、どこかの誰かへ贈るユーモラスないたずら。箱の中に閉じ込められていた人形が巨大な世界へと旅立つ、ブルース・リーに捧げられた痛快カンフー・アニメーションまで。


『短編セレクション - 気ままなオブジェたち』
アレキサンドル・ティケニス(ル・ステュディオ プログラム・ディレクター)

動かない物に動きを与えようとするとき、アーティストや映像作家たちはみな同じ思いを抱くのではないだろうか。常識をひっくりかえし、退屈を払いのけたいと考えるのではないか。モンタージュ、デジタル処理、物理法則、それぞれに異なる方法を用いて、彼らは帽子を動かし、タイヤを動かし、脚つきのグラスを動かす。本来であれば動くはずのない日用品が、いのちを吹き込まれ、にわかに動きだす。動くべきでないものが動くことで、私たちの日常は混乱し、根底から覆される。しかし、意図的に引きおこされたこの無秩序から、幸いなことに、ユーモアとポエジーが生まれる。映像とわたしたちとの関係を考えるきっかけも与えられる。

『午前の幽霊』では、オブジェが宙を舞い、人間の体がばらばらになる。時の権力者は、この風変わりな映像を快く思わなかった。1920年代の前衛運動が生んだこの傑作を、ナチス・ドイツは退廃芸術と決めつけ、その音声版を破壊したのだ。もちろん、ナチスが、ダダイズムのユーモアや挑発を認めるはずもなかった。ダダイズムはユーモアと挑発を武器として既成の価値観を揺さぶり、型通りの芸術を叩きのめそうとしたのである。

『事の次第』は、芸術作品であり、科学実験である。画面には、無数のガラクタをドミノ倒しのように組み合わせたインスタレーションだけが映しだされる。最初のひと押しをきっかけに、作用と反作用の運動がはじまる。重力の法則にしたがい、火力と水力に応じて、その運動が連鎖していく。
作用と反作用のはざまで、一瞬の均衡がおとずれる。ぎりぎりのバランスが崩れ、小さなカタストロフィが生じる。観客は、その崩壊の瞬間を目撃することに倒錯的な喜びをおぼえ、物事の因果関係を証明する実験の美しさに魅了される。ほとんど中断せずに一気に撮影されたこの「ハプニング」的な作品は、世界が連綿と続くという悲しい事実をシニカルに表現する。本作の原題がしめすとおり、そのような連続性を「物の流れ」と呼ぶのだ。

ル・ジャンティ・ギャルソン(優しい少年)という親しげな名前にだまされてはいけない。作品のタイトルを見れば分かるように、このアーティストのパフォーマンスは、優しくもなければ無害でもないのだ。『グッド・ラック・ミスターチャンス』には、絶対に勝負がつかないトランプが登場し、『ザ・ファースト・ラスト・ソング』には自己破壊するピアノが出てくる。ル・ジャンティ・ギャルソンは、ポエティックなテロリストにちがいない。彼は、マナーやモラルに対していつも過激な暴力をふるうのだ。

伝説のカンフースター、ブルース・リーがゴム人形となって甦り、ほかのおもちゃたちに闘いをいどむ。しかし、彼がいないあいだのテクノロジーの進歩はすさまじかった。往年のヒーローも簡単にはカムバックさせてもらえなかった。『燃えよプチ・ドラゴン』は、アニメーションのさまざまな技法を駆使したアクション映画であり、子供たちの夢と映画に捧げられたオマージュである。

上映スケジュール


上映日:5月3日(木・祝)、5月4日(金・祝)、5月5日(土・祝)、5月6日(日)、5月12日(土)、5月13日(日)、5月19日(土)、5月20日(日)、5月26日(土)、5月27日(日)

上映時間


11:00/14:00/17:00

会場


銀座メゾンエルメス ル・ステュディオ(東京都中央区銀座5‐4‐1 10階 TEL: 03-3569-3300)

予約


予約開始:4月12日(木)11:00
予約方法:4月12日(木)以降、「予約」ボタンよりご予約ください。

※ご予約は、鑑賞ご希望の上映日の3週間前の11:00から可能です。
(予約開始時間の11:00付近は、アクセスが集中し繋がりにくい場合がございます。ご迷惑をおかけし申しわけございません。)
※満席の場合にはご予約頂けませんが、当日キャンセルのあった場合は、会場にて先着順でご鑑賞いただけます。(上映時間5分前に会場に直接お越しください。)
※上映会は、中学生以上の方にご参加いただけます。