演じる。遊ぶ。プレイフルな人生!:ロールプレイング

『生きるべきか死ぬべきか』

2018.4.1(日)~4.30(月・祝)

アート&カルチャー

ル・ステュディオは銀座メゾンエルメス10階にある40席のプライベートシネマです。
2018年のテーマは「演じる。遊ぶ。プレイフルな人生!」。
4月は、エルンスト・ルビッチによる傑作コメディ『生きるべきか死ぬべきか』をお届けします。


『生きるべきか死ぬべきか』 To Be or Not to Be
1942年/アメリカ/99分/モノクロ/ブルーレイ

監督:エルンスト・ルビッチ
脚本:エドウィン・ジャスタス・メイヤー
撮影:ルドルフ・マテ
音楽:ウェルナー・R・ハイマン
出演:キャロル・ロンバード、ジャック・ベニー、ロバート・スタック、フェリックス・ブレサート、ライオネル・アトウィル

舞台は1939年、第二次世界大戦直前のワルシャワ。俳優のヨーゼフとマリアのトゥーラ夫妻は「ハムレット」で互いに主役を演じる看板役者だったが、ハンサムな若い中尉ソビンスキーに愛を告白されたマリアは、ヨーゼフが「生きるべきか死ぬべきか……」の長セリフを独白する間、中尉との逢瀬を楽しんでいた。やがてポーランド情勢が悪化。トゥーラ夫妻の一座は、劇場そのものをゲシュタポ本部に見立ててナチを相手に大芝居を打つのだった。大戦下に制作されながらも、諧謔と粋、遊びに溢れた、随所にルビッチらしい洗練を感じる傑作コメディ。


『生きるべきか死ぬべきか』
アレキサンドル・ティケニス(ル・ステュディオ プログラム・ディレクター)

演劇を象徴する名文句が、ふたりの秘密の合言葉になる。ハムレットの独白を合図に、若い男が席をたって女優に会いに行く。男は女優の大ファンで恋人だった。女優は舞台上の役者の妻だった。役者にとっては、名台詞の途中で観客に出ていかれることほどショックなことはない。しかも、それが毎晩続くのだ!

生きるべきか死ぬべきか。この悩ましい状況を別のことばで表現してみよう。「演じるのか、演じないのか」。エルンスト・ルビッチであれば、まちがいなく、演じるべきだと言うだろう。生きるためには芝居をしなければならない。生き残るためには、他人になりきり、ひとを欺かなければならない。ルビッチはこの作品の主人公たちに、そのような生き方をさせる。妻は夫をだましてイケメンの空軍中尉と逢瀬を重ね、大学教授はゲシュタポの犬になり、一座の役者たちは命をかけて大芝居を打つ。

自身もかつて喜劇俳優として舞台に立ったルビッチは、勝手知ったる演劇の世界に愛情と皮肉の入り混じった視線をそそぐ。演劇はしばしば劇場の外へ飛び出し、人生そのものを芝居に変える。ドイツ軍に破壊されたワルシャワで、人気役者と脇役たちが、ゲシュタポの裏をかくためにドイツ軍の役を演じる。

『生きるべきか死ぬべきか』は、役者夫婦を主人公にしたスパイ映画であり、風刺的なコメディである。ドイツ出身のルビッチが晩年に撮った作品だが、これまでどおり暗示や省略によって観客の想像力をかきたて、皮肉と仄めかしを織りまぜながら、洗練されたコメディに仕立てた。こうした独特のスタイルを俗に「ルビッチ・タッチ」と呼ぶ。

アメリカの参戦と時を同じくして撮影されたこの作品は、チャップリンの『独裁者』と並び、当時のハリウッドで作られたプロパガンダ映画として最も大胆で辛辣な作品となった。さらに言えば。大衆への影響力もずばぬけていた。それは、ルビッチの作品が『独裁者』と同じくコメディだったからである。

ナチスの蛮行や強制収容所を、大衆向けの映画でどう描くか。もし映像によって見せないとしたら、どうやってその存在を感じさせるか。ずばり、コメディにすれば良いのだ。コメディは世界の鏡である。その鏡には、現代社会の狂気と幻想が映しだされる。ルビッチの喜劇は、意表をつく展開とシニカルな台詞で、ヒトラーのナチスドイツを痛烈に笑いのめす。ナチスの思い上がりをちゃかし、ゲシュタポの将校たちの従順さを嗤いとばす。将校たちが愚かにも服従しているのは、要するに「ちょび髭の男」にすぎないのだ。

上映スケジュール


上映日:4月1日(日)、4月7日(土)、4月8日(日)、4月14日(土)、4月15日(日)、4月21日(土)、4月22日(日)、4月28日(土)、4月29日(日)、4月30日(月・祝)

上映時間


11:00/14:00/17:00

会場


銀座メゾンエルメス ル・ステュディオ(東京都中央区銀座5‐4‐1 10階 TEL: 03-3569-3300)

予約


予約開始:3月11日(日)11:00
予約方法:3月11日以降、「予約」ボタンよりご予約ください。

※ご予約は、鑑賞ご希望の上映日の3週間前の11:00から可能です。
(予約開始時間の11:00付近は、アクセスが集中し繋がりにくい場合がございます。ご迷惑をおかけし申しわけございません。)
※満席の場合にはご予約頂けませんが、当日キャンセルのあった場合は、会場にて先着順でご鑑賞いただけます。(上映時間5分前に会場に直接お越しください。)
※上映会は、中学生以上の方にご参加いただけます。