演じる。遊ぶ。プレイフルな人生!:愛と偶然との戯れ

『天使の入江』

2018.3.4(日)~3.31(日)

アート&カルチャー

ル・ステュディオは銀座メゾンエルメス10階にある40席のプライベートシネマです。
2018年のテーマは「演じる。遊ぶ。プレイフルな人生!」。
幕開けは、ルーレットに魅せられた男女の逃避行『天使の入江』をお届けします。


『天使の入江』 La Baie des Anges
1963年/フランス/85分/モノクロ/ブルーレイ

監督・脚本:ジャック・ドゥミ
撮影:ジャン・ラビエ
音楽:ミシェル・ルグラン
編集:アンヌ・マリー・コトレ
美術・衣装:ベルナール・エヴァン
衣装(ジャンヌ・モロー):ピエール・カルダン
出演:ジャンヌ・モロー、クロード・マン、ポール・ゲール、アンリ・ナシエ、ニコール・ショレ、アンドレ・セルト、コンチータ・パロディ

手堅い銀行員ジャンは、同僚の誘いで訪れたカジノで大当たり。大金を手にする。瞬く間にギャンブルの虜となったジャンは、ニースの安宿に泊まりながらカジノ通いの日々を過ごし始める。そんなある日、ブロンドの美女・ジャッキーと出会い、二人は行動を共にするようになる。
勘とゲームの刹那の世界にのめり込む男と、彼を魅了する女の駆け引き。ニースの海岸の街を舞台に、ギャンブルに魅せられた男女の、エレガントでデカダントな夏の逃避行を描く愛のドラマ。ルグランの甘美なスコアが作品を彩る。


『天使の入江』
アレキサンドル・ティケニス(ル・ステュディオ プログラム・ディレクター)

地中海に面したニースの有名な散歩道で、男と女が出会った。ギャンブルへの情熱が、ふたりを結びつけた。男はきまじめで無愛想。厳格な家に育ちながらも、ギャンブルをきっかけに堅実な暮らしを捨ててしまった。女は孤独で自由だった。白いスーツを身にまとい、プラチナブロンドの髪をなびかせ、おしゃべりで屈託がなく、自分の幸運を信じて疑わず、ギャンブルにのめりこんでいた。たとえ幸運に見放されても、すぐに立ち直り、カジノ通いを続けた。大金を手に入れたいというよりも、むしろ浪費することに喜びをおぼえた。贅沢なホテル暮らしにおぼれ、その生活が永遠に続くことを願った。
その生活は、勝つか負けるか、ふたつにひとつだった。偶数か奇数か、ツキがあるかないか。そこに明白な違いがあるように、ジャック・ドゥミの映像は白と黒のコントラストを際立たせ、男と女の衣装もつねに鋭い対照を見せた。

偶然の虜になり、ギャンブルの泥沼にはまった男と女は、真夏のまばゆい光を浴びるよりも、教会のようにひっそりと静まりかえったカジノの冷たい空気を好んだ。ルーレットを転がるボールの音と、チップが触れあう音だけが耳に響く。その音が、ジャンとジャッキーを引き寄せる。
誘惑に負け、幸福にひたり、屈辱をあじわう。ふたりは何度も同じストーリーをくり返す。ルーレットが回りつづけ、同じメロディが反復するように、この悪循環がいつまでも続く。男と女は自らすすんで蟻地獄に堕ちてゆく。ミシェル・ルグランが作曲したピアノのメロディが、美しくも哀しい調べを響かせる。

『天使の入江』には、フランス映画を刷新するヌーヴェル・ヴァーグの立役者ふたりが名を連ねた。ジャンヌ・モローから一緒に映画を撮りたいと言われたジャック・ドゥミは、モローのために男を惑わすコケットの役を書きあげた。豊かな髪となまめかしい物腰、笑顔から絶望へと一瞬のうちに変わる表情で、彼女はその役を見事に演じた。『天使の入江』のジャンヌ・モローは、その並外れた存在感で私たちの記憶に残りつづける。

上映スケジュール


上映日:3月4日(日)、3月10日(土)、3月11日(日)、3月17日(土)、3月18日(日)、3月21日(水・祝)、3月24日(土)、3月25日(日)、3月31日(土)

上映時間


11:00/14:00/17:00

会場


銀座メゾンエルメス ル・ステュディオ(東京都中央区銀座5‐4‐1 10階 TEL: 03-3569-3300)

予約


予約開始:2月11日(日)11:00
予約方法:2月11日以降、「予約」ボタンよりご予約ください。

※ご予約は、鑑賞ご希望の上映日の3週間前の11:00から可能です。
(予約開始時間の11:00付近は、アクセスが集中し繋がりにくい場合がございます。ご迷惑をおかけし申しわけございません。)
※満席の場合にはご予約頂けませんが、当日キャンセルのあった場合は、会場にて先着順でご鑑賞いただけます。(上映時間5分前に会場に直接お越しください。)
※上映会は、中学生以上の方にご参加いただけます。