オブジェに宿るもの:時代は変わる

『みんなのいえ』

2017.10.1(日)~10.14(土)

アート&カルチャー

10月、11月の2カ月間にわたりお送りする、秋の特別プログラム「衣・食・住」。第一弾は三谷幸喜監督による『みんなのいえ』を上映いたします。
その他の作品についてはこちら ※本プログラムでは、お一人様各作品1度ずつ、全3作品をご予約いただけます。


『みんなのいえ』All About Our House
2001年/日本/115分/カラー/35mm

監督・脚本:三谷幸喜
製作:宮内正喜、高井英幸
エグゼクティブ・プロデューサー:石原隆、増田久雄
プロデューサー:佐倉寛二郎、空閑由美子、重岡由美子
音楽:服部隆之
撮影監督:高間賢治
美術:小川富美夫
編集:上野聡一
出演:唐沢寿明、田中邦衛、田中直樹、八木亜希子

憧れのマイホームを夢見る、放送作家の直介と妻の民子。二人が郊外の土地を決めたところから物語は始まる。お洒落な家に憧れる民子は、大学の後輩で新進気鋭のインテリアデザイナー、柳沢に設計を依頼。施工は、大工の棟梁である父・長一郎に任せる。開放感あふれるモダニズム建築を目指す、売れっ子でプライドの高い柳沢と、とにかく丈夫な和風の家を建てようとする、頑固で堅気な長一郎。正反対の二人は対立を深め、ついには想像を絶するトラブルが夫婦に襲いかかる。
監督自身の実体験をもとに綴られた、個性豊かなキャストで送るホームコメディ。


『みんなのいえ』
アレキサンドル・ティケニス(ル・ステュディオ プログラム・ディレクター)

家づくりは難しい……。若い夫婦が、未来の幸せを夢見ながら新居の計画に心躍らせている。しかし、ふたりを待っていたのは悪夢の日々だった。夫婦は理想のマイホームを空想し、新進気鋭のデザイナーはじぶんの考えを押しとおし、大工の棟梁は和風建築にこだわる。激しい口論がつづき、妥協がくり返される。家族、友人、職人たちも黙っていない。家はどうあるべきかについて誰もが揺るぎない意見をもっている。
かれらの情熱と確信は、どこから来るのだろうか。家はたんなる住まいではなく、世界の縮図にほかならない。そこには、わたしたちと世界の関係が凝縮されている。壁の色をどうするか。玄関は外開きか内開きか。そういったことを決めるのは機能性や美しさだけではない。各人の生き方が、ひとつひとつの選択に反映するのである。

三谷幸喜は、世界観の対立にくわえ、世代間の衝突や文化的な葛藤を映しだす。昔ながらの生活をつづけるか、時代に合わせて暮らし方を変えるか。伝統を守るべきか、それとも古い慣習はきっぱり捨て去るか。哲学的とも言えるこうした問いを、三谷はコミカルに描きだす。役者たちは、自分にあたえられた役柄を心から楽しんでいるようにみえる。優柔不断で気のよわい夫はだんだんと家づくりから締め出され、義父が連れてきた昔気質の大工仲間はことあるごとに文句を言い、当初のプランをすべて独断で「和風」に変えてしまう。

最後は、誰もが予期するとおり、めでたく和解が成立する。事故で壊れたシリンダービューローを、デザイナーと大工がお互いの技術をもちよって修復していくうちに、ふたりのわだかまりも消えてしまう。『みんなのいえ』は、芸術と職人技の融合を描き、建築について多くのことを教えてくれる作品である。住宅や家具をじぶんの手でつくるすべてのひとに対する愉快なオマージュである。基礎工事から仕上げのペンキ塗りまで、家づくりの工程をひとつずつ辿り、ついに夢のマイホームが完成する。そして、思い出の品をそっと置いていく。家にいのちが吹き込まれる。

上映スケジュール


上映日:10月1日(日)、10月6日(金)、10月7日(土)、10月8日(日)、10月9日(月・祝)、10月14日(土)

上映時間


11:00/14:00/17:00

会場


銀座メゾンエルメス ル・ステュディオ(東京都中央区銀座5‐4‐1 10階 TEL: 03-3569-3300)

予約


予約開始:9月10日(日)11:00
予約方法:9月10日以降、「予約」ボタンよりご予約ください。

※上映会は、中学生以上の方にご参加いただけます。
※ご予約は、鑑賞ご希望の上映日の3週間前の11:00からとなります。
※満席の場合にはご予約頂けませんが、当日キャンセルのあった場合は、会場にて先着順でご鑑賞いただけます。(上映時間5分前に会場に直接お越しください。)