エルメスの手しごと展 “メゾンへようこそ” - FILM SCREENINGS

パリと職人たち – Paris and the Artisans

アレキサンドル・ティケニス監修による、3作品のオムニバス

銀座メゾンエルメス ル・ステュディオのプログラム・ディレクターであり、パリにて映画史の教鞭をとるアレキサンドル・ティケニスの監修のもと、パリの街中に暮らす職人や、手しごとをなりわいとする人々の姿を、時代を隔ててフィルムに収めた3作品を上映します。

①「パリの小さな仕事」 監督:ピエール・シュナル
戦前のパリの通りは、別の世紀からやってきたかのような行商人や、流しの職人たちで溢れていた。床屋、マットレス製造職人、もぐりの行商人……。物書きや写真家たちにインスピレーションを与えてきたこれらの人々には、自分の店を構える資格もなければ、余裕もなかった。商売道具を背負い、あるいは荷車に乗せて引いている彼らの奇妙なシルエット、通行人への掛け声に、監督は魅了される。本作は、決して簡単には撮影を許さない人々の稀少な証言である。監督は時に彼らを追いかける。なぜなら彼らは全てを警戒しているから。とりわけ警察を……!
ピエール・シュナル(1904-1990)の絶妙なフレーミングは、映画に美しさと詩情を与え、当時すでに消え去ろうとしていた人々への郷愁を漂わせている。

1932年/フランス/モノクロ/19分
Les petits métiers de Paris by Pierre Chenal

②「帽子職人」 監督:ベルナール・ラスカーズ
帽子が男を作る。未来を信じ、己の情熱を注ぐ道に打ち込む若い男を。
23歳のジェロームは紳士・婦人用帽子職人を志し、ジャンセル親方の元で厳しい見習い生活を送っている。親方は父親の後を継いだ帽子職人で、舞台やショービジネス向けに「時代物」の帽子を、昔ながらの製法で作っている。
国から「メートル・ダール(名工)」の称号を与えられた親方は、パリ、グラン・ブルヴァールの工房で、失われつつある技術を伝える責務を負う。軍人のケピ帽や、海賊の三角帽のコレクションの中から型紙を作り、フェルトを成型し、厚紙を縫うジェロームは、伝統と革新を融合させる難しさを学んでいく。

1996年/フランス/カラー/26分
C’est le chapeau qui fait l’homme by Bernard Lascazes

③「ダゲール街の人々」 監督:アニエス・ヴァルダ
ダゲール街は、監督・アニエス・ヴァルダが暮らし、働く、彼女の庭である。ヴァルダは「隣人」と「映画作家」という二つの視点から、パン屋、時計屋、理髪店を訪ね、ショーウィンドウの裏側で働く人々の姿や、店の奥に満ちた親密な空気をフィルムに焼き付けた。職人気質で家族経営的な彼らの商売は、長年変わらず、流行には目もくれず、当時パリを変えつつあった近代性とも無縁の存在にみえる。
1928年生まれのアニエス・ヴァルダはもともと写真家であった。『ダゲール街の人々』において彼女が私たちに届けるのは、平凡ながら心を打つ、個人的なストーリーで構成された一冊のアルバムであり、日常と過ぎゆく時間、希望と挫折、忘れられた夢についての考察である。

1975年/フランス/カラー/80分
Daguerréotypes by Agnès Varda


※中学生以上を対象としております。
※映画はお一人様、 1プログラム1回のみ予約可能となります。
※ 1回の予約につき人数は4名まで(お一人様につきご同伴者3名まで)とさせていただいております。
※満席の場合にはご予約頂けませんが、当日キャンセルのあった場合は、会場にて先着順でご鑑賞いただけます。(上映時間5分前に会場に直接お越しください。)

エルメスの手しごと展 “メゾンへようこそ”
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